ノーコードWeb制作プラットフォーム「STUDIO」で制作されたWebサイトを讃えるWebデザインの祭典「STUDIO DESIGN AWARD2023(以下、SDA2023)」にて、株式会社KKIの採用サイトがアウトカム賞 / Web Designing賞のW受賞を達成しました。驚くべきはサイト制作前と比較して採用コストを80%削減できたという成果。「求職者目線」と「KKIらしさ」に徹底的にこだわったデザイン制作の裏側について、同社所属のデザインチーム・KKI DESIGNの山田久美子さん、岩田智洸さん、岡部りおさんにお話を聞きました。丁寧な情報設計と「その会社らしさ」にこだわる、BtoB製造企業所属のデザインチーム──まずは株式会社KKIの事業内容と、KKI DESIGNの強みを教えてください。山田:株式会社KKIは食品パッケージ製造事業を軸に、デザイン制作や食品包装用機械の販売を行うBtoB企業です。2022年から本格的にWeb制作の受託事業を開始し、今回の採用サイトも100%内製しました。バックボーンであるパッケージデザインだけではなく、これまでの知見やノウハウを活かした製造業のWebデザインや動画制作も強みの一つです。例えば製造業の製品サイトでは、商品説明やアフターサポート、購入までのフローといった意思決定に必要な情報を網羅する必要があります。これらの情報量を担保しながらも、サイト訪問者にとって閲覧しやすい情報設計ができるのはビジネスに寄与するデザイン思考を養ってきたKKI DESIGNならではだと考えています。岩田:製造業界は採用に悩む企業も非常に多いです。単に採用サイトのビジュアルを良くするだけでは求職者を惹きつけられないため、Web上で「その会社らしさ」を表現するにはどうすれば良いかを常に意識してデザインしています。STUDIOだからこそ、3ヶ月でサイトを作り切ることができた──サイトリニューアルの経緯と、STUDIOでの実装を決めた理由を教えてください。山田:経営陣から「新卒メンバーを採用するため、サイトを刷新してほしい」という依頼があったのがきっかけです。依頼された時期と採用活動開始時期までのスケジュールがかなり詰まっており「STUDIOならすべて社内で制作できるので、時間と外注コストも圧縮できる」ということで、STUDIOで内製することにしました。岩田:STUDIOをよく使っていたので社内に実装のノウハウが貯まっていたことも、STUDIOを使う決め手の一つでした。岡部:私自身、全てのページ実装を担当するのは初めてだったのですが、分からないことがあったら先輩方にサポートいただきつつ「STUDIO Community」でもすぐに解決策を調べたりすることができたので、スムーズに実装を進めることができました。──どれくらいの期間をかけて制作したのですか?岩田:企画からローンチまで約3ヶ月と、非常にスピーディーに進めることができました。今回はスケジュールがタイトだったので、ときには原稿作成とWebデザイン、実装が同時並行で進むことも。このような柔軟なフローで作業できるのは社内プロジェクトかつSTUDIOを活用したサイト制作ならではだと思います。山田:メインは私たち3名で作業を進めつつ、2名のフォトグラファーと1名のSTUDIO実装のサポートメンバーの合計6名でリリースできました。社員へのヒアリングを重ね「読み進めるほど、自社に興味がわく」サイトを作る──特にこだわった点はどこですか?山田:会社の雰囲気が伝わるようにしつつ、求職者の方の視点で「もっと読みたい」を感じてもらえるようなコンテンツと情報設計を目指しました。例えば職種紹介と社員インタビューのページでは、チャットツール風の吹き出しのUIを採用。読み手が自然と次の内容に引き込まれるような工夫をしています。社員への質問内容も一般的なものだけではなく、「仕事での失敗談を教えて」「オフィス周辺のおすすめグルメは?」など、等身大のその人らしさが伝わるような質問を盛り込みました。他にも新卒メンバーに入社当時の疑問や不安をヒアリングして「よくある質問」に反映したり、フッターやページ下部から関連記事への導線を丁寧に設計したりと、読み手を意識したサイト作りにこだわっています。──サイトのデザインはどのように進めていったのでしょうか?岩田:「KKIらしさ」をデザインやビジュアルに落とし込みたいと思い、まずは社内アンケートを行なって「社員が持つKKIのイメージ」を言語化しました。アンケートで得られた「誠実さ」「クリーン」「親しみやすさ」といったキーワードをもとに、食品パッケージ用フィルムから着想を得たグラデーションや波状のあしらいを取り入れています。青一色ではない、多様な色を使った温かみのある配色も個人的なこだわりポイントです。──実装で大変だったポイントは?岡部:トップページのファーストビューの写真のモーションや、インタビューページのチャットが出てくるタイミングなど「見ていて気持ちの良いアニメーション」を表現するのに苦労しました。こちらは社内の実装チームで取り組み、無事に実装することができてよかったです。細かいところでは、画面のサイズが変わったときに、背景のグラデーションと文字が重なって読みにくくならないよう、細部の配置を調整しました。──今回の採用サイトで得られた成果や反響について教えてください。山田:新卒社員2人の採用に成功し、サイト制作前と比較して採用コストが80%削減できたことが最大の成果です。1年間でサイトに訪問した新規ユーザー数は2万人と弊社のコーポレートサイトの約2倍、またそのうちの約3分の1にあたる約6500人がリピート訪問しています。サイト滞在時間の平均は2分29秒、エンゲージメント率80%と、サイト訪問者が強い関心を持ってくれるサイトを作ることができました。──今回の「アウトカム賞」にもつながりますが、まさにサイトの成果が採用サイトのゴールにつながっている点が素晴らしいですね。山田:ありがとうございます。採用サイトのオープンが弊社の認知度を向上させ、ファン獲得にも寄与していると実感しています。今回の採用サイト制作によって、確実に社内の知見やノウハウが増えました。また先日は、STUDIOを導入している取引先との商談の場でアワード受賞のことをお伝えしたところ、後日「非常によくできたサイトだ」という言葉をいただきました。コストを抑えながらもスピーディーに制作した自社事例のノウハウを、クライアントのサイト制作でも活かすことができれば、弊社としてもより大きな成果にもつながっていくのではないかと考えています。岩田:今回SDA2023でアウトカム賞とWeb Designing賞を受賞させていただいたことで、地理的に離れた支社のメンバーからも「おめでとう」「感動したよ」と声をかけてもらったことも嬉しかったですね。古いシステムを使っていた企業ほど、STUDIOのメリットを実感できる──KKI DESIGNから見た、Web制作でSTUDIOを活用するメリットを教えてください。山田:国産サービス、かつ操作も簡単なので、コーディングの知識がない人にとっても非常に扱いやすい点です。クライアントからおすすめのCMSを聞かれたときには、「費用面だけではなく、スピーディーに構築できて自社内で運用しやすい」という理由でSTUDIOをおすすめすることが多いです。実際に、創業年数が長い会社で、古いシステムでWebサイトを構築されていたところにSTUDIOを導入いただくことも多く「運用が格段に楽になった」という声を多数いただいています。──最後に、今後Web制作で挑戦したいことを教えてください。山田:今後もクライアントの悩みを解決できるサイトを作るべく、課題理解と解決策の精度を上げていきたいです。岩田:製造業に限らず、採用にお悩みの様々な中小企業の方に、なるべく期間とコストがかからないデザイン制作を提案できれば嬉しいですね。自分たちも同じ課題にぶつかった経験があるからこそ、当事者目線で解決策を提供できればと考えています。岡部:お客様の課題を解決するデザインを忠実に実装できるよう、STUDIOのスキルをさらに向上させていきたいです。社内プロジェクトとして始まった採用サイトの制作。わずか3ヶ月という短期間で、デザインから撮影、実装まで行ったKKI DESIGNのチーム力を感じたインタビューとなりました。コーポレートサイトとは別に採用サイトを設けるにはコストがかかるもの。STUDIOによってコストを抑えつつ、求職者目線の情報設計やデザインに注力することで成果につながった今回のケースは、自社の発信力を高めたい企業にとっても大きなヒントになるのではないでしょうか。KKI DESIGNは、製造業の現場経験を持つクリエイターによる動画制作支援・マーケティング施策も行っています。ビジネスに寄与するサイト制作・デザインを考えている方は、ぜひご相談ください。▲KKI DESIGNによるWebサイト制作実績(一部)